Houdini デジタルアセットのブラックボックス化
Houdini 14.0.297 より Houdini デジタルアセット (HDA) のブラックボックス化が可能になった。これにより、使用者にアセット内部の構造を見せないアセットの作成・共有が可能になった。ここではその使用法を簡単に紹介。
基本的な流れ
- HDAの作成 (従来同様)
- HDA 化したアセットはシーンファイルとは別に保存される。
- HDAのブラックボックス化
- 1 で作成したHDAを選択、新メニュー Assets->Create Black Boxed Asset From Selection... を実行。別 HDA ファイルが作られる。
- ブラックボックス化したアセットの共有
- ブラックボックス化したアセットはダブルクリックしても中身を見ることが出来ない。
HDAの作成
ここでは単純に何のコントロールも無いアセットの作成をする。アセットの詳しい作成方法くはここなどを参照してください。
- Create タブから Sphere を作成。
- Network View パネルで Create Subnet from Selected ボタンをクリック。Sphere をサブネットに格納する。
- 作成された subnet1 の上で RMB->Create Digital Asset... を実行
- Operator Label: Houdini のタブメニューに表示される名前
- Operator Name: アセットノードのタイプ名
- Save to Library: アセット(HDA)の保存先
- Edit Operator Type Properties ウィンドウが表示される。
- パラメータを追加したりカスタマイズをしたければ、Parameters タブで行う。ここでは割愛。
HDAのブラックボックス化
- 作成した HDA を選択したまま、Assets->Create Black Boxed Asset From Selection... を実行。
- ブラックボックスHDAの保存先を指定する。元のファイルと同じ場所でも良い。
- Immediately switch to the black boxed definition をオンにすると、現在のシーンにあるアセットがそのままブラックボックス化される。ここではしない。
- 保存先ディレクトリを見れば(二つの保存先が同じ場合) test_test.hdaと test_test_blackbox.hda があるのがわかるはず。
- Houdini を終了し、ブラックボックス化していない test_test.hda を他のディレクトリに退避し、Houdini を再起動する。
- TAB->Digital Assets->test とすれば、ブラックボックス化されたアセットがロードされる。これはダブルクリックしても内容を見ることが出来ない。
アセット定義の入れ替え
- Houdini を再び終了。先ほど退避させた test_test.hda を元に戻し、二つのファイルが同じパス ($HOME/houdini14.0/otls) にあるようにする。
- Houdini を再起動。再び TAB->Digital Assets->test とすれば、作られるノードは test_test_blackbox.hda を元にしたもの。ダブルクリックしても内容を見ることが出来ない。
- 何故かというとブラックボックスアセットファイルの方がタイムスタンプが新しいから。明示的にどちらのアセットの定義が使われているかを調べるには、ネットワークビューでアセットを選択、右マウスボタンで Operator Type Manager... メニューを実行。
- 別パネルが開き、選択したノードに対するアセット($HOME/houdini14.0/otls/test_test_blackbox.hda) がハイライトされている。
- このリストで一つ上には、test_test.hda があり、折りたたみを解除すれば、Object/test_test が赤で表示されているのがわかる。
- このブラックボックス化されていないアセット定義を使うには、赤く表示された部分をハイライトし、RMB->Use This Definition を実行。こちらが緑になり、先ほどまでのブラックボックス化されていた方が赤くなる。
- またブラックボックス化されたアセットに移りたい場合は、赤い方をハイライト、RMB->Use This Definition を再度実行。
まとめ
- Houdini デジタルアセット (HDA) のブラックボックス化は Houdini 14.0.297 より可能。
- 新しいメニューで実行、ブラックボックス化されたHDAは別ファイルとして保存される。
- ブラックボックス化されているもの・いないものを切り替えるには Type Property Manager (RMB->Use This Definition)で行う。
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