2017-07-18

sesictrl

sesictrl は Houdini のライセンスを管理するコマンドラインツール。つまり、GUI 付きの License Administrator が Windows など GUI 環境で使用するのに対し、sesictrl はターミナルで使用する。ここでは、わかり易いとは言えないかもしれない sesictrl を使った Houdini ライセンスのインストール方法を紹介する。


  1. License Administrator (hkey)
  2. sesictrl を使ったライセンスのインストール
  3. sesictrl を使ったライセンスの返却
  4. まとめ

使用したビルド: 16.0.486 と 15.5.673 (どちらも挙動は同じ) Windows 7
2018-02-16: 16.5.384 を使って内容更新

1. License Administrator

sesictrl の説明をする前に、License Administrator によるライセンスのインストール方法をおさらいする。二つの考え方はよく似ている。

  1. License Administrator を起動 (なお以下では hkey と呼ぶ)。起動法の詳細はこちら
  2. 起動すると、現在使用しているライセンスサーバにインストールされている既存ライセンスがリストされる。

    まだ何も入っていない場合はブランク。
  3. ライセンスを新たにまたは追加インストールするには、File -> Install Licenses を実行。
    • 登録したメールアドレスと、SideFX より送られてきたパスワードをダイアログに挿入。Login ボタンをクリック。
    • ログインに成功すれば、現在インストール可能なライセンス (正確には entitlements) が表示される。
  4. 上の図のように
    • 1x Houdini FX
    • 4x Renderer (Mantra)
    • 1x Renderer (Mantra)
    と3つのライセンス entitlements があり、すべてインストールするのであれば、単純に "Install" ボタンをクリックして終了。
  5. しかし、例えば 1x Houdini FX のライセンスだけをインストールし、Renderer はインストールしたくない場合、Houdini FX をハイライト選択したりするのではなく、インストールしない Renderer 二つの Quantity を 0 とする。つまり、それぞれの Quantity セルに 0 を入力する。

    これで Install ボタンをクリックすれば、Houdini FX だけがインストールされることとなる。
sesictrl であっても同じ考え方をする必要がある。

2. sesictrl を使ったライセンスのインストール

sesictrl はコマンドラインツールなので、まずはターミナルを起動する必要がある。この詳細はこちら

  1. ライセンスをインストールする場合には、sesictrl -L として起動する。
  2. hkey 同様、メールアドレスとパスワードを入力。
      すると、インストール可能なライセンス entitlements がリストされる。
  3. リストされているライセンス entitlements をすべてインストールするのであれば、f を入力、 Enter キーを押して終了。
      注意: Windows 上では Enter キーを2度押さないと入力が確定しない。
      16.5.384 では不要。
  4. 上記の hkey の例と同じように Houdini FX だけをインストールしたい場合、取るべき手順は、 Houdini FX (#1) を選択するのではなく、#2 と #3 の Mantra を 0 にする。
  5. よって、まずは Enter a number to edit the selection... のところに 2 と入力し、Enter キー (Windows の場合、Enter キー2回)
  6. How many tokens would you like to install? [4] に対し、 0 と Enter キー (2回)。
      これにより #2 の Mantra の selected の数が 0 になった。
  7. #3 の Renderer に対しても同様の事を行なうので、3 と Enter キー、それから 0 と Enter キー。
      これで #2 と #3 の Renderer どちらもが 0 になった。
  8. f + Enter 2回 で現在の設定をインストール。

      上記のようにメッセージが出れば、ライセンスが正しくインストールされた。インストールせずに終了するのであれば、 q。
  9. 終了後、インストールされたライセンスを確認するには、sesictrl -s を実行。

3. sesictrl を使ったライセンスの返却

引き続き、sesictrl を使ったライセンスの返却に移る。

  1. 上記同様、まずインストールされているライセンスを確認するため、sesictrl -s を実行。
  2. 例えば一番下にある Houdini Core を返却する場合、sesictrl -d 1598d77e と実行する。
  3. Are you sure you want to return this license? [n] のあとに y と入力して確定する。
  4. メールアドレスとパスワードを訊かれるのでそれらを入力。

      成功すれば、
      The license was returned successfully. After redeeming the entitlement for it, you may return it at most # more times.
      と表示される。 # は実際に返却可能な数。
ちなみに、複数まとめて返却する場合には、
sesictrl -d df36e3fb,e86b1ce8
などとスペースを入れずにカンマで区切る。

まとめ

ここでは、Rendererをインストールしなかったが、Houdini の Render View でレンダリングを行う場合、テクスチャをベイクする場合など、Renderer ライセンスが消費される。これらの作業をするのであれば Renderer ライセンスは必須。


最終更新: 2022-10-07

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