H18.5 からAPI キーによるライセンシングが追加された。 API キーライセンスは、従来からのログインIDおよびパスワードの代りになり、これによって、License Administrator や sesictrl などのライセンスツールを使った設定作業を介さずにクライアントが見に行くサーバが指定できる。これが有効なのは、
- レンダーファーム上のコンピュータなど、GUI環境のないコンピュータに対しサーバの指定を行う場合
- ログインライセンスの代りに使用することで、License Administrator 経由によるログイン (つまりログインID とパスワードの使用) をスキップできる
- Houdini webServer など、アーティストを全く介さない Houdini 使用時ライセンスのチェックアウトに使用する
- 2025-05-21 更新: Houdini 20.5.601 (Windows 11)
- オリジナル: Houdini 18.5.696 Windows 10 (18.5.672 でも動いた)
1. API キーの取得
API キーの取得には、https://www.sidefx.com/oauth2/applications/ に行く。ここには、https://www.sidefx.com/services/ の Developers API 以下 Manage applications authentication からも行ける。
- 初めて来た場合は、API Documentation をさらっと見ておくと良い。
- Register a new application ボタンをクリックして API キーの作成に進む。
- 次のページで以下の情報を埋めてキーを作成する。太字は必須。
- Name: 何でも良いが、自分 (使用者) にとって判別し易い名前を付ける。例えば test_myname など。
- Client id: 自動的に入力されたクライアントのID。そのまま使用。
- Client secret: 自動的に入力されたクライアントの秘密文字列。そのまま使用。
- Client type: Confidential または Public のいずれかを選択。上記の#3 などにおいてその使用が公開されない限り、通常は Confidential を選択。
- Authorization grant type: "Authorization code" または "Client credentials" のいずれかを選択。www.sidefx.com のユーザID への接続が必須でない限り "Authorization code" を選択。ユーザIDに接続する場合は "Client credentials" を選択。
- Redirect uris: 特に指定すべきものが無い場合は、http://www.sidefx.com で良い。
- Algorithm 選択はデフォルト (No OIDC Support) のまま。
- すべて埋めたら Save をクリックして完了。
- これをクリックすれば登録内容が確認できる。
2. ライセンスの返却
今回は www.sidefx.com をライセンスサーバとして使うので、使用するライセンスを返却する。返却方法はこちらを参照のこと。
3. License Administrator での設定
Houdini 20.5 から API Key を License Administrator 経由で指定できるようになった。以下の方法で行う。
- License Administrator を起動、File->Change License Server... に行き、License Server を www.sidefx.com (もしくは使用したいライセンスサーバ) にする。
- File->Clear all Cookies and Log Out of Everything を実行して、ログイン状態から抜けるのが良い(と思う)。
- File->Login... を実行、開いたパネルの左下にある USE API KEY ボタンをクリック。
- Client ID に Web ページで得た Client ID
- Client Secret に Web ページで得た Client Secret 文字列を入力、SAVE ボタンをクリックして閉じる。
API Key の使用をやめるには、
- File->Login ... (Using APIK Key) に行き、 CLEAR ボタンをクリックして文字列を消去。
- File->Clear all Cookies and Log Out of Everything を選択。
- CONFIRM ボタンをクリックして実行。
4. hserver.ini による設定
Windows の場合、H20.5 以降では hserver.ini は C:\ProgramData\SideFX\ にあるものを使う。APIKey 設定のテンプレートは2行目にある。
- 2 行目を以下の要領で編集する。
- の行頭の # を削除
- <client_id> を client_id の実際の文字列に (括弧無)
- <client_secret> を client_secret の実際の文字列に (括弧無)
- 編集が終わったらファイルを保存。
- Services で HoudiniServer を再起動 (一度終了 (Stop) して再度開始 (Start)) する。
- hserver.log を見ると、何がおかしいのかわかるかもしれない。
API キーをやめるには、
- hserver.ini の APIKey の行頭に '#' を挿入してコメントアウトし、ファイルを保存。
- Services で HoudiniServer を再起動。
5. トラブルシューティング
動かない場合、以下のことを確認する。
- License Administrator 経由で設定して動かない場合
- 各フィールドに余計な文字やスペースが入っていないことを確認
- License Adminsitrator と hserver のバージョン(およびビルド番号)を確認。同じバージョンであるのが望ましい。
- hserver.ini に同様の設定がないことを確認
- hserver.ini 経由で設定して動かない場合
- hserver.ini の場所を確認。Windows で H20.5 の場合、C:\ProgramData\SideFX\hserver.ini
- APIKeys 以下の定義が一行で書かれていることを確認
- License Administrator に同様の設定がないことを確認
- hserver.log を見ると、何がおかしいのかわかるかもしれない。
従来 Windows では、Houdni の hserver および sesinetd (ライセンスサーバ) は C:\Windows\System32 以下にインストールされた。H19 以降および Launcher を使った場合、
- hserver は C:\Program Files\Side Effects Software\Houdini Server\ に
- sesinetd と sesictrld は C:\Program Files\Side Effects Software\License Server\ に
使用している hserver の場所を確認するには、Windows のスタートメニューから Servies を起動、HoudiniService を探し、そのプロパティを見る。
繰り返しになるが、APIキーは自分 (またはその所属組織の) ログインID とパスワード同様の重要度を持つことをあらかじめ理解しておく必要がある。
リンク
- Houdini ライセンス概要
- SideFX 日本語FAQ
最終更新: 2025-05-21
0 件のコメント:
コメントを投稿