リポトポロジとは、高解像度メッシュを、AR や VR などで扱えるような低解像度メッシュに変換するプロセス。ここでは、Houdini の topoBuild ツールの使う上での元データの処理、低解像度メッシュの渡し方、作業を行っていく上での重要な表示設定方法を紹介する。
Houdini 20 での Topobuild はこちらの「Topobuild ノード」をご覧ください。
使用したビルド: Houdini 16.0.759
シーンファイルへのリンクは一番下にあり。
1. 元形状の処理
ここでは、Test Geometry にある Rubber Toy を使う。この形状は左右対称なので、Clip ノードを使って片側だけを使うようにする。
- ビューポート内で TAB->Test Geometry->Test Geometry: Rubber Toy を実行。Enter を押して確定、原点に配置。
- testgeometry_rubbertoy_object1 ノードができる。
- このノード名を highres と名前を変更。
- ネットワークビューで i キーを押すなり、ダブルクリックするなりして、highres ノード内に入り、 TAB->Clip を実行。
- ネットワークビューで Boolean ノードを作成。設定はデフォルトのまま (Operation=Intersect) で、 testgeometry_rubbertoy1 と clip1 の間に挿入する。
- clip1 の出力に Null ノードを接続、ノード名を OUT とし、表示フラグをこのノードに設定。 これで元メッシュの設定は終了。
2. 低解像度メッシュの作成
Topo Build ノードを使って一からメッシュを作成していく代わりに、低解像度のケージメッシュを作り、それを topobuild に渡してその形状を編集して低解像度メッシュを作成する。
- Ctrl キーを押しながら、Create シェルフの Box をクリック、原点に配置。
- Scene レベルに
box_object1 ノードができる。
- このノード名を lowresと名前を変更。
- ネットワークビューで i キーを押すなり、ダブルクリックするなりして、lowresノード内に入り、box1 のマニピュレータを操作し、ボックスの大きさをボディの大きさに大まかに合わせる。
- ネットワークビューで box1 を選択し、 Ctrl+C と Ctrl+V で複製。
- box2 ノードが出来る。
- TAB->Merge を実行。Enter を押して確定。
- merge1 ノードが出来る。
- box1 と box2 を選択し、merge1 の入力に接続。
- box2 を選択し、マニピュレータの矢印で box2 が首の位置に来るようにする。
- box2 を選択したまま、Ctrl+C と Ctrl+V で複製し、できた box3 を merge1 の入力に接続。
- box3 のマニピュレータを操作、box3 が頭の位置に来るようにする。
- merge1 の出力に Boolean を接続。設定はデフォルトのまま (Operation = Intersect)。
- これにより、元形状同様、箱の寄せ集めが一つのメッシュになる。
- boolean1 の出力に Clip を接続、Direction を先ほどと同じように 1, 0, 0 にする。
- clip1 の出力に Null ノードを接続、ノード名を OUT とし、表示フラグをこのノードに設定。 もっと編集を続けたければ続けても良いが、これで低解像度メッシュの設定も終了。角と脚は TopoBuild で処理する。
3. Topo Build
- Scene レベルで、 highres を選択、Model シェルフの TopoBuild を実行。
- この topobuild1 が選択されていれば、このノードの機能により、面を張っていくことが可能。このノードには以下の4つのツールがある。
- highres_retopo 内で、TAB-> object_merge を実行。
- object_merge2 ができる。
- object_merge2 の Object1 の右端にある '+' アイコンをクリック、/obj/lowres/OUT を参照するようにする。
- object_merge2 を topobuild1 の左側の入力に接続する。
- Scene レベルで highres と lowres ノードの表示フラグをオフにするか、ビューポート右上で Hide Other Objects に設定する。
- Topo Build で効率良く作業をするには表示設定を以下のように変更すると良い。
- topobuild1 ノードの Visualizer タブに行き、Color Type を Poly Vertext Count にする。
- 三角形が黄色、四角形が水色、N角形が赤で表示されるようになる。
- ビューポートで 'd' キーを押し、Display オプションウィンドウを表示、Markers タブの右下にあるプルダウンで 3D Boundaries を選択。赤い面はスプリットし、メッシュの内側に青いエッジがあれば、つなぐ必要があるということがすぐにわかる。
- 同じく Display オプションの Guides タブで Geometry Information を Always オンにすると、ポリゴン数がビューポート右下に表示される。
- 個人的な好みかもしれないが、ビューポートのレンダリングモードを Hidden Line Ghost にした方が見やすいかもしれない。
- topobuild1 ノードの Visualizer タブに行き、Color Type を Poly Vertext Count にする。
- あとは Split、Smooth、Build を繰り返し、ガシガシと作っていくしかなく、編集操作を文章にするのは難しい。
- 基本的に操作の殆どを LMB (左マウスボタン) で行い、MMB (中マウスボタン) クリックでツールの中断が可能。
- 例えば、角の部分は以下の要領で行うことも出来る。
- 元の部分にある面を選択、Delete キーを押して、削除。
- Build モードで角の先端部分をクリックして、ポイントを一つ作成、向かって右側のジオメトリ境界エッジ上に移動。
- 作成したポイントの脇にもう一つポイントを作成。
- ポイントの上のほうのエッジをクリック、そのまま作成したポイント二つまで延ばし接続する。(正しく持って来ればスナップする)。
- スナップしたあと、下のエッジまでさらにつなげる。
- Split モードで作成した上の面を半分に分割、MMB クリックで一度完了。
- 下の面も同じように分割。MMB クリックで一度完了。
- 向かって左側の部分も黄色で表示された三角形の右端のエッジまで分割。MMB クリックで一度完了。これで三角形は四角になる。
- Build モードに移り、上のエッジをクリック、そのまま引っ張り出して左のポイントにスナップさせ、右は浮いたままでクリック。
- 途中までの面を作成後、エッジをそのまま下まで伸ばし、下のポイント二つにスナップする。
- 最後に空いたところも、エッジを一つクリックし、伸ばしたエッジを残りの二つポイントにひねりながらスナップすることで穴を生めることが出来る。
- 作成後は好みに応じてさらに分割可能。
- 元の部分にある面を選択、Delete キーを押して、削除。
- 角を5つ編集したところまでがこちら。三角形を取り除きすべて4角形にするのは最後が良いと思われる。 脚や尻尾も同じアプローチを取ることも出来るが、こちらで紹介されている Houdini 16.5 の Skin モードでより効率よく作成可能。
また半身のこの形状を全体に戻すには、 Mirror ノードを使用し、重複する頂点をくっつけるには、 Fuse ノードを使用する。これらに関しては別の機会に。
まとめ
Topo Build チュートリアル
- Mardini 2024 Modeling H20 の Topobuild
- TOPOBUILD (Houdini 15)
- TOPOBUILD (Houdini 15.5)
- Topobuild 3.0 Sneak Peak (SIGGRAPH 2017)
- 01_retopo_begin: Retopo 作業直前までの設定ファイル
- 02_retopo_horns.hip: このページ最後まで行ったファイル
作成: 2017-10-22
最終更新: 2024-04-20
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