2018-02-09

Houdini Core

よく訊かれる Houdini Core と Houdini FX の併用、ライセンス周りについて説明する。



0. Houdini Core|FX 製品比較

それぞれの製品概要はこちらにあり。

簡単に言ってしまえば、Houdini Core は、高価な Houdini FX からシミュレーション機能を取り去ったもので、それだけ安価になっている。両方を併用する上で知っておくと良いのは以下の通り。
  1. Houdini Core でも Houdini FX が扱えるすべてのジオメトリ形式 (ポリゴン、NURBS、Sub-D、ボリューム、OpenVDB など) が扱え、また、Houdini Core は Houdini FX が読むことが出来るファイルフォーマットすべてに対応している。
  2. Houdini Core は、Houdini FX で作成したシーンファイル (.hip) をエラーを出さずに開くことが出来る。
    • シーンファイルにシミュレーションノードがある場合、それらのノードは、Read-only となる。
    • Read-only となったノードは、編集は不可能だが、再生とレンダリングは Houdini Core からでも可能。
    • つまり、Houdini Core は、Houdini FX のライティングツールとなり得る。
  3. FX 内のシミュレーションを HDA (Houdini Digital Asset) にまとめれば、Houdini Core の中で、HDA のパラメータを元に編集可能。つまり、複雑なシミュレーションはともかく、簡単にまとめられたシミュレーションは、Houdini Core でも使うことが出来る。
      この流れは H17 で加速され、新機能 Vellum の Simple Cloth は Houdini Core で使える (Rigging シェルフにあり)。

1. houdini -core

Houdini の Command Line Tools または Cygwin で以下のように

$ houdini -core 
または
$ houdinicore 
とすれば、起動する Houdini は、Houdini Core のライセンスを見に行く。Core のライセンスがなければ、hkey (License Administrator) が立ち上がる。

2. Houdini Core の Houdini FX ライセンスでの起動

基本的に Houdini Core は Houdini FX のライセンスを使用しない。つまり、あるライセンスサーバに Houdini FX と Houdini Core の両方がある場合でも、安価な Houdini Core によって高価な Houdini FX のライセンスが枯渇するというようなことはない。

しかし、Houdini 16.5.381 より、Houdini FX のライセンスを使って、Houdini Core を起動することが出来るようになった。これにより Houdini Core の評価・検証が、Houdini Core のライセンスを持っていなくとも出来るようになった。以下は Houdini Apprentice でも Houdini Indie でも可能。

H19.0.502 以降の変更点
Houdini 19.0.502 (2022年2月頃) 以降では、以下にある -force-fx-license は使えなくなり、H19 の新機能を使うことになる。Houdini FX のライセンスを使って、Houdini Core を起動するには、

houdinicore --skip-licenses=Houdini-Escape --check-licenses=Houdini-Master
とする。なお、H20.0 以降では不要だが、19.589 以降の H19.5 では
      HOUDINI19_CHECKOUT_SYSTEM=1
houdini.env に事前に設定する。

なお、 デイリービルド: Houdini 16.5.381 以降、 Houdini 19.0.501 までは、コマンドラインで

$ houdini -core -force-fx-license
とすれば、Houdini は、Houdini FX のライセンスを使って Houdini Core 起動できた。この場合、FX のライセンスがない場合、Core は起動しない。

コマンドラインを使いたくなければ、Houdini 16.5.381 デスクトップアイコンのターゲットの部分に

"C:\Program Files\Side Effects Software\Houdini 16.5.381\bin\houdini.exe" -core -force-fx-license
と記述すれば、ダブルクリックした時には、Houdini Core が起動する。

3. Houdini Core から Houdini FX へのアップグレード

アップグレードは以下の通りに可能。

下から右へ Core WS Core LAL FX WS FX LAL
Core WS --
Core LAL -- -- --
FX WS -- -- --
  • LAL から WS に(ダウングレード)は出来ない。
  • 製品タイプアップグレード (Core->FX) の場合、使用しているライセンスの返却が必要 (2020年1月以降不要)。
  • ライセンスタイプアップグレード (WS->LAL) に対しては、新しいサブネットマスクが発行される。既存ライセンスの返却は (2017年以降) 不要。
  • 価格は代理店に問い合わせ。




おまけ


最終更新: 2024-06-15

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