sesictrl は Houdini のライセンスを管理するコマンドラインツール。つまり、GUI 付きの License Administrator が Windows など GUI 環境で使用するのに対し、sesictrl はターミナルで使用する。ここでは、わかり易いとは言えないかもしれない sesictrl を使った Houdini ライセンスのインストール方法を紹介する。
使用したビルド: 16.0.486 と 15.5.673 (どちらも挙動は同じ) Windows 7
2018-02-16: 16.5.384 を使って内容更新
1. License Administrator
sesictrl の説明をする前に、License Administrator によるライセンスのインストール方法をおさらいする。二つの考え方はよく似ている。
- License Administrator を起動 (なお以下では hkey と呼ぶ)。起動法の詳細はこちら。
- 起動すると、現在使用しているライセンスサーバにインストールされている既存ライセンスがリストされる。
まだ何も入っていない場合はブランク。 - ライセンスを新たにまたは追加インストールするには、File -> Install Licenses を実行。
- 上の図のように
- 1x Houdini FX
- 4x Renderer (Mantra)
- 1x Renderer (Mantra)
- しかし、例えば 1x Houdini FX のライセンスだけをインストールし、Renderer はインストールしたくない場合、Houdini FX をハイライト選択したりするのではなく、インストールしない Renderer 二つの Quantity を 0 とする。つまり、それぞれの Quantity セルに 0 を入力する。
これで Install ボタンをクリックすれば、Houdini FX だけがインストールされることとなる。
2. sesictrl を使ったライセンスのインストール
sesictrl はコマンドラインツールなので、まずはターミナルを起動する必要がある。この詳細はこちら。
- ライセンスをインストールする場合には、sesictrl -L として起動する。
- hkey 同様、メールアドレスとパスワードを入力。
- リストされているライセンス entitlements をすべてインストールするのであれば、f を入力、 Enter キーを押して終了。
注意: Windows 上では Enter キーを2度押さないと入力が確定しない。
16.5.384 では不要。 - 上記の hkey の例と同じように Houdini FX だけをインストールしたい場合、取るべき手順は、 Houdini FX (#1) を選択するのではなく、#2 と #3 の Mantra を 0 にする。
- よって、まずは Enter a number to edit the selection... のところに 2 と入力し、Enter キー
(Windows の場合、Enter キー2回)。 - How many tokens would you like to install? [4] に対し、 0 と Enter キー (
2回)。 - #3 の Renderer に対しても同様の事を行なうので、3 と Enter キー、それから 0 と Enter キー。
- f + Enter
2回で現在の設定をインストール。 - 終了後、インストールされたライセンスを確認するには、sesictrl -s を実行。
3. sesictrl を使ったライセンスの返却
引き続き、sesictrl を使ったライセンスの返却に移る。
- 上記同様、まずインストールされているライセンスを確認するため、sesictrl -s を実行。
- 例えば一番下にある Houdini Core を返却する場合、sesictrl -d 1598d77e と実行する。
- Are you sure you want to return this license? [n] のあとに y と入力して確定する。
- メールアドレスとパスワードを訊かれるのでそれらを入力。
sesictrl -d df36e3fb,e86b1ce8などとスペースを入れずにカンマで区切る。
まとめ
ここでは、Rendererをインストールしなかったが、Houdini の Render View でレンダリングを行う場合、テクスチャをベイクする場合など、Renderer ライセンスが消費される。これらの作業をするのであれば Renderer ライセンスは必須。
- Houdini のインストール
- Houdini FAQs
- Houdini のライセンスの概要
- License Administrator (hkey)
- sesictrl
- -R id Relinquish a license, returning it to the pool
はライセンスの「返却」ではなく、例えばレンダリングなどがクラッシュしたりハングしたりした場合に、ライセンスを強制的にサーバに戻すためのフラグ。 - -f
診断情報を表示。ファイルに保存するには sesictrl -f > C:\diag.txt などとする。
Η19 以降は新しい構文である sesictrl diagnostic > diagnostic.txt を使うのが望ましい。
- -R id Relinquish a license, returning it to the pool
- ライセンス文字列について
- ライセンス用語集
- Houdini のライセンスの概要
最終更新: 2022-10-07
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