2020-12-24

amd prorender

ここでは、AMD Radeon ProRender を Houdini / Solaris への導入について説明する。ProRender は AMD 社製の無償 GPU レンダラーだが、OpenCL で書かれているため、NVIDIA GPU でも動作可能。勿論 Houdini Apprentice でも動作する。

なお、これは Houdini Apprentice Advent Calendar 2020 の 24日目の記事です。



使用したビルド:

  • Houdini 18.5.408 Python 2.7 (Windows 10)

1. ダウンロード

Houdini 18.5 対応の ProRender のダウンロードは Github から行う。

  1. Houdini 18.5 (Python2.7) の Windows 版を使っている場合は、hdRpr-2.0.13-Houdini-18.5.408-py2.7-Windows.tar.gz をダウンロードする。
  2. .tar.gz の解凍には 7-zip などを使って2度解凍するか、Cygwin
    $ tar xvzf hdRpr-2.0.13-Houdini-18.5.408-py2.7-Windows.tar.gz
    とすれば一発で解凍できる。
ここでは、D:\SideFX\HoudiniFiles\amd\prorender\hdRpr-2.0.13-Houdini-18.5.408-py2.7-Windows として解凍したとする。

2. Package ファイル

Houdini では Package ファイルを使ってモジュールのロード・アンロードを管理している。これを正しく設定することで ProRender が正しく認識出るようになる。

  1. 該当する Package ファイルの詳細はここにあるが、以下のように記述し、ProRender.json というファイル名で ~/houdini18.5/packages/ に保存する。
    {
    "env":
            [
                    {"RPR":"D:/SideFX/HoudiniFiles/amd/prorender/hdRpr-2.0.13-Houdini-18.5.408-py2.7-Windows"},
                    {"HOUDINI_PATH":"$RPR/houdini"},
                    {"PATH":"$RPR/lib"},
                    {"PYTHONPATH":"$RPR/lib/python"}
            ]
    }
  2. RPR に続くパスを使っている環境に合わせて調整する。
  3. なお、2.0.13 以前 (2020年11月前半頃) の説明に使われていた ProRender.json には、PYTHONPATH の定義がない場合があり、そのままだと使えないので注意が必要。

3. 動作確認

ProRender.json を正しく配置したら、Houdini を起動して動作確認を行う。

  1. Houdini 18.5 を起動する。
      パッケージファイルが正しく認識されていればメインメニューに RPR が追加されているはず。
  2. ネットワークエディタで /stage に行ってから、ビューポート右上の Persp をクリックしプルダウンメニューを表示。
      パッケージが認識されていれば、RPR が追加されているはず。
  3. /stage 内で TAB->Sphere (sphere1) それから TAB->Light (light1) の順でノードを作成し、sphere1 の出力を light1 の入力に接続、表示フラグを light1 に合せる。
  4. ビューポートでマニピュレータを使い、ライトが球体を照らすよう位置を調整し、ビューポートのレンダラーを RPR に変更する。
      するとビューポートで ProRender が実行される。

      上の結果は、light1 の Base Properties で Intensity を 10 にした場合。
  5. カクカクしたジオメトリを滑らかにするには、 Render Geometry Settings ノードを sphere1 の下に挿入して、RPR タブ以下の Subdivision Level を Set or Create として 値を2なり3なりに上げる。


4. マテリアルおよびライティングのさらなる設定

マテリアルやライティングの詳細設定は Solaris/USD の設定に準じる。よって、例えば、KARMA シェーディング理論のチュートリアルファイルを使って行うことも可能。

  1. 上記ページの「シェーダボットシーンファイルのダウンロード」をクリックしてシーンファイルをダウンロード。
  2. .zip ファイルを解凍して、シーンファイル (shaderbot_v001.hiplc)を開く。
  3. ProRender でレンダリングする際には、ネットワーク最下流の Karma ノードではなく、一つ上の Rim_Select に表示フラグを合わせる。

    レンダリングが終われば、この通り。
今回はここまで。

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