2021-06-09

bonfire and OCIO

Houdini 19.0.455 以降の OCIO のらくちん設定方法はこちら (Born Digital サポート)。


Houdini 18.5 の Simple FX シェルフにある Simple Bonfire ツールでの炎を作成するとビューポートでも RenderView でも白く飛んだ色味になってしまう。これを改善する方法を紹介する。



使用したビルド:

  • Houdini Core 18.5.596 (Windows 10)
シーンファイルへのリンクは一番下にあり。

1. 元シーンの作成

  1. Houdini Core 18.5 を起動、メイン UI の左側の シェルフで Simple FX シェルフを表示。Simple Bonfire を Ctrl+クリック。
      原点に炎が作成される。
  2. ビューポートのカメラを操作し、適切な位置に配置してから、Lights and Cameras シェルフの Camera ツールを Ctrl+ クリック。
      視点の通りにカメラ (cam1) が作られる。
  3. cam1 の View タブで Resolution を 1024x1024 にする (他のどの解像度でも構わない)。
  4. ここまでをシーンファイルとして保存 (例: pyro_bonfire.hip)。
  5. 再生して、60フレーム目まで進む。
      見たとおり、炎はかなり白く飛んでいる。
  6. Render View でレンダリングしても大体同じように白く飛んでしまっている。
これを修正していく。

2. bonfire のネットワーク

bonfire をクリックすると、/obj/ 以下に bonfire という Geometry ノードが配置され、これはシミュレーションのための DOP ネットワークではなく、主にモデリングを目的とした SOP ネットワークで構成されている。つまり、Houdini Core でも編集・操作ができる。

大雑把に言えば、このうち

  • Pyro の挙動に関するのが pyrosolver_bonfire ノード
  • ルックに関するのが pyrolook ノードと言える。
結論から言うと、Houdini 18.5 の発表イベントで紹介したような画質を得るには OCIO の設定が必要だが、その設定の前にできることを以下に紹介する。

RenderView でレンダリング開始後、pyro_look ノードを選択

  1. Scatter タブの Enable Scatter を有効にする。
    これにより、Intensity などのパラメータが追加され、Intensity 以下の Scale により容易に炎の強度がコントロールできるようになる。
  2. Fire タブの下の方にある Enable Mask も有効にする。
上記二つのパラメータを有効にすることで、コントロールできる色調が格段に増えるが、根本的な解決にはならない。それには、以下の要領で OCIO を有効にする。

3. OCIO

Houdini 19.0.455 以降の OCIO のらくちん設定方法はこちら (Born Digital サポート)。

OCIO のインストールおよび概要に関しては、H18.5 ドキュメントの「OpenColorIOを使用したACESのセットアップ」の項を参照。

  1. ここまでの設定をシーンに保存し、Houdini を一度終了。
  2. ここから OpenColorIO-Config-ACES-1.2.zip をダウンロード (124MB)。
  3. ディスクに解凍し、ocio\OpenColorIO-Config-ACES-1.2\aces_1.2 以下にある config.ocio環境変数 OCIO で houdini18.5/houdini.env などに指定する。
    OCIO  = 解凍したパス/OpenColorIO-Config-ACES-1.2/aces_1.2/config.ocio
  4. Houdini を起動し、保存したシーンファイルを開く。
  5. RenderView に行き、レンダリングを開始。ビューの下にある折り畳み部分を開くと、LUT の部分に Enable OpenColorIO のトグルがあり、有効になっているはず。
      有効になっていない場合はパスを再確認。この設定は、Edit->Color Settings... の Color Correction タブの OCIO Config でも確認可能。
  6. この OCIO 設定下では、下の画像で sRGB となっているところのプルダウンメニューで様々なカラースペースを選択することが可能なのと、それぞれのカラースペースで、bonefire の項で紹介したパラメータ群の編集による違いが、よりはっきりとわかる。
OCIO 使用以前との比較は以下の通り。

さらなる調整はまた今度。

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最終更新: 2021-12-15

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